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他では聞けないくすりのはなし

「ゾロ品」って大丈夫?

【はじめに】

 「ゾロ品」っていう言葉をご存じですか?正式には後発医薬品(または後発品)といいます。つまり、医療用医薬品で、すでに製造承認を受けている新薬(先発医薬品)と、成分・用法・効能などが同等の医薬品のことです。今回は、ここのところ着実に売上を伸ばしているゾロ品のメリットとデメリットについて考えてみましょう。(なお、今回は、極力分かりやすく書いたつもりですが、専門用語、業界用語が頻出しています。分かりにくいところは、ご指摘を頂ければ幸いです。)
 

【ゾロ品のメリット】

○なによりも薬価が安い
 新薬を開発した製薬会社(これを先発メーカーといいます)は、6年間独占して製造・販売することが認められています。その開発期間は、10〜15年、開発費用は100〜200億円ともいわれています。しかし、その期限が過ぎると、他の製薬会社(これを後発メーカーといいます)でも作ることができるようになります。もう既にある原料や製法で作られますので、先発品に比べると、研究開発に要する期間や費用が大幅に軽減できます(期間は2〜3年、費用は2000〜3000万円)。
 そして、開発費がかからない分、薬価が安くなっています。具体的には、最近CMでおなじみとなったHブロッカーの中で、シメチジンというものがありますが、先発メーカーであるスミスクライン・ビーチャムから出ている商品名「タガメット錠200mg」は、1錠33円の薬価が付いています(平成10年度現在)。しかし、後発メーカーのもの(30社弱からでています)の薬価は13円20銭で、実に約1/3という低い薬価になっています。
 同じ薬で安いとなれば、患者さんの負担、ひいては国民医療費全体を減らすことにつながります。
 
○先発医薬品より薬価差が大きい(?)
 先発品より低い薬価が付いていますから、医療機関としては、収入が減ってしまうことになります。しかし、医療機関に納入するときの値段(納入価)を更に安くし、薬価差(薬価と実際の納入価の差)を先発品より大きくすることで、販売量を増やしているゾロメーカーもあるそうです。しかし、納入価を安くすることは、ここのところ毎年行われている薬価改定に反映してしまい、次回の薬価改訂時に薬価が更に安くなり、経営が悪化しているメーカーもあるといいます。
 

【ゾロ品のデメリット(心配?)】

○品質は?
 最近は、製造・品質管理基準が強化されたため、ゾロ品の品質は向上しているといいます。しかし、ゾロ品だけを作っているメーカー(それをゾロメーカーといいます)の中には、家内工業的に、一時期どかっと作って、あとは全部売れればそれでおしまいみたいなところもあるのも事実です。
 
○ゾロ品の情報は大丈夫?
 先発品に比べると、後発メーカーの持っている情報は、格段に少ないと思われます。「薬剤師の情報提供の義務」のところでも書きましたが、薬というものは、それ自体ではただ単なる物質に過ぎません。情報が付加されていないと医薬品とは呼べません。例えば、市販されるようになってその後の副作用の集積となると、やはり先発メーカーが勝るようです。
 また、我々は、薬のことで分からないことがあれば、製薬会社に聞くことがあります。大手のメーカーであれば、問い合わせに対して専門のスタッフ(一般的にその部署を「学術」といっています)がいて、きちんと回答してくれますが、ゾロメーカーでそれができるかどうかが不安です。
  前述の製造・品質管理基準とこの市販後調査基準を守らなければいけなくなり、後発メーカーの中には、この基準をクリアするための体制作りや設備投資負担に耐えられない企業が出てきています。

【この話はちょっと見当違い?】

 ちょっと話を変えてみましょう。非常に乱暴な例えをしてみます。例えばテレビを買うときのことを考えてみますと、同じ大きさで機能も同程度のテレビでも、メーカーによって価格が違いますよね。一般的には一流メーカーのものは高く、聞いたこともないメーカーのものは安いです。しかし、長持ちするがどうかを考えると、どうも安いものはすぐに壊れてしまうような気がするのは私だけではないでしょう。そこで、あなたならどのように考えるかです。安くてもいいから壊れやすいものを買うか?高くてもいいものを買うのか?
 もちろん、その話をそっくり医薬品に当てはめるのは、少々危険すぎますけれど・・・・・。
 

【まとめ】

 安心して安い薬を使うことができれば一番いいとは思いますが、現段階では全ての後発品が安心というわけでもありません。このことは、現在議論されている医薬品の参照価格制ということにも絡んでくることなので、関係省庁・部署にて慎重に議論されることを望みます。
(参照価格制とは、疾患ごとに医療費が一定である制度で、つまりどれだけ検査しようと、どれだけ薬を使おうと、どれだけ長い期間入院しようと、患者さんが払うお金は一定にしようということです。医薬品だけに関しても安い最小限の薬をということになります。この話は、またそのうちに書きます)

(1998/05/09)

 ”d-inf掲示板”の過去ログのうち、後発医薬品に関する過去ログをまとめました。
 →http://d-inf.org/drug/log_03.html

(2001/12/24追加)

 ・・・上に書いたことはかなり昔の記事になってしまいました。

(2002/02/24追加)

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制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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