
他では聞けないくすりのはなし
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ある日、病院の調剤室にいたら、医師から電話がかかってきました。
「○○という薬、外の薬局で売っているというんだけど、それって要指示薬かどうか確認してほしい」と言われました。
医師が処方せんにより処方する医療用医薬品が、調剤薬局で処方せんなしに売られているというのです。にわかには信じがたいことです。
そもそも薬には、病院で使われる医療用医薬品と、薬局・薬店で購入できる市販薬(大衆薬、OTCともいいます)に分けられます。医療用医薬品は、医師が処方をして使うことが前提になっていますが、その医療用医薬品の中に「要指示薬」という分類があります。
要指示薬は、医師の処方せんまたは指示がなければ譲渡(販売)できない医薬品のことです。有効性と安全性の面から使用に特別の考慮を払う必要のある医薬品であり、耐性菌を生じやすい、重篤な副作用が発現しやすいといった観点から、専門知識を有しない者により非科学的に使用されないよう、医師等の処方せん等の無いものに対して販売してはならないものとして法律上規定された医薬品です。
ですから、要指示薬に指定されていない医療用医薬品は、医師が使うことを前提としていながら、処方せんが必要ない薬ということになってしまいます。実際に、問い合わせのあった薬は要指示薬に指定されておらず、街の薬局で売ってもお咎めはないということになります。一部の薬局・薬店で行われているこの行為、「零売」というそうなのですが、これは変な話です。
学生時代に習ったような記憶がかすかにありますが、病院で働いていると、「要指示薬」がどんな概念のことか忘れています。というのは、病院では、医師が書いた処方せん以外では薬の調剤をすることはありませんから。

2002年の薬事法改正により、「要指示薬」という分類は無くなり、新たに、「処方せん医薬品」という分類ができています。つまり医療用医薬品のうち一部を除くほとんどすべてを処方せん医薬品とし、医師の書いた処方せん以外に販売してはいけないことになりました(違反すると、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金、またはその両方が科されます)。しかし、実際の施行は2005年7月からとなっており、現時点では罰則がないという状態です。
(2003/12/07)
<追加>
厚生労働省は、2005年2月10日に処方せん医薬品の指定について、官報告示しています。約3200成分で、実際には2005年4月1日から適用されるとのことです。(上には2005年7月と書いてしまいました・・・訂正します。)
(2005/02/16追加)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)