
他では聞けないくすりのはなし
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「最近のサリドマイド使用の実態」に書きましたように、現在未承認薬ながら「多発性骨髄腫に対するサリドマイドの適正使用ガイドライン」が2004年12月に作成されています。そのガイドラインに適合した形で使われているのは、全体の2割しかないという報告がされています。
それは、東京大学大学院の久保田潔助教授の調査で、2000年から2005年3月までに代行業者が扱った個人輸入の記録を基に、医師653人の使用状況が調べられたそうです。それによると、ガイドライン通りに研修病院で専門医が使っているケースは22%で、研修病院以外で専門医ではない医師の使用は40%にもなっているということです。やはり、サリドマイドの使用マニュアルの遵守は難しのでしょうか。
私の考えでは、サリドマイドの使用に関しては、厳しい制限付き(ガイドラインの遵守)で、どうしても使わなければならない患者さんのみで使用すべきであり、そのことが守れないなら使用を禁止すべきです。この結果をみて、久保田助教授も「事故が起きないか心配だ」と話されているそうです。私もそう思います。
「多発性骨髄腫に対するサリドマイドの適正使用ガイドライン」は、厚生労働省サイト中、http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/h1210-2.html で見ることができます。そのガイドラインの中で、サリドマイド薬害被害団体のコメントが書かれてありますので、抜き出します。私の思いとほぼ同じです。
サリドマイド被害者からのメッセージ
私たちは薬害により障害を持って生まれ、今も日々の生活に様々な不自由を感じながら生きています。この薬がなければ、私たちは被害を受けることはありませんでした。そのような恐ろしい薬を二度と使ってほしくありません。
しかし、サリドマイドにより救われる人がいるなら、誤りなく使用されることを念じます。薬そのものが悪い訳ではなく、過去の出来事を知らず、充分な知識がないまま使用する側に責任があると思います。繰り返される薬害事件で製薬企業や役人が頭だけ下げる光景はもう見たくありません。同じ過ちを繰り返さないために、ひとりでも多くの人に関心を持ってもらいたい。義務教育で教え、すべての人が「自分の身にも起こり得る出来事」として認識してほしいと思います。
サリドマイドを使うのであれば、厳しいルールの下での使用に限定すべきです。医療機関・医師・薬剤師そしてサリドマイドを必要とする患者・家族のみなさんなど、この薬に関わるすべての人は正しい判断をしてください。ルールが守られないならば、全面禁止でない限り再発防止はできないと思います。こんな悲劇は自分達だけでたくさんです。
私たちはサリドマイドによる新たな被害が発生しないことを願い、引き続きサリドマイドの適正使用について見守っていきたいと考えています。
(財)いしずえ サリドマイド福祉センターより
とても甘い見方をしますと、その調査が2000年から2005年3月であり、ガイドラインが2004年12月に出されていますので、ガイドラインがでる前の数字も入っているわけで、ガイドラインがでてからの数字を拾ってみると、もう少し成績がいいのじゃないかと思います。しかしいずれにしても、いい加減に使われているケースもあることが十分に予想されます。また、ガイドラインは、多発性骨髄腫に対するものしかないので、他の疾患で使う場合はどうしたらいいのかわからないということが現場であるのかもしれません。
「サリドマイド日本国内で再承認か?」で書きましたように、サリドマイドを再び承認する方向に進んでいますが、老婆心ながらこの結果が水を差すようなことにならなければいいなあと思います。
(2005/04/04)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)