
他では聞けないくすりのはなし
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国内の製薬会社1社が2005年1月14日までに、サリドマイドの承認申請(正確にいうと、「希少疾病用医薬品」の指定を申請)をしたことがわかっています。現在、個人輸入で使用されている多発性骨髄腫の治療薬としてです。1月21日に厚生労働省で指定の可否を審査されるとのことです。
個人的には、個人輸入で使用されている現状を考えると、承認してしまった方がすっきりいくような気がします。ただ適当に使われると薬害問題にまたもや発展する可能性もありますが、「最近のサリドマイド使用の実態」にも書きました「多発性骨髄腫に対するサリドマイドの適正使用ガイドライン」をしっかり守れば問題ないと思います(そもそもガイドラインができたのは承認を視野に入れてのことじゃないかと思ったりもします)。
(2005/01/16)
予定されていたとおりに、2005年1月21日に厚生労働省薬事・食品衛生審議会で「希少疾病用医薬品」に指定されています。どこの製薬会社かと思いましたら、藤本製薬(http://www.fujimoto-pharm.co.jp/)だということで、海外で製造されたものの輸入ではなく、国内での製造、販売をする予定であるらしいです。厚生労働省が今後1ヶ月程度で審査し、正式に希少疾病用医薬品として指定するかどうか決めることになります。
今回は希少疾病用医薬品の指定の申請・承認のみです。今後、動物実験や人での臨床試験を経て、実際に薬として使われることが認められることになります(そこら辺のことは、「新薬が世に出るまで(1)」、「新薬が世に出るまで(2)」、「新薬が世に出るまで(3)」に書きました)。しかしその臨床試験の開始時期は決まっておらず、薬としての申請して承認され、実際に患者さんがのむようになる時期は未定です(希少疾病用医薬品の指定を受ければ、普通の薬に比べればはやく認められることになります)。
ところで「希少疾病用医薬品」という単語はあまり聞き慣れませんか?「希少疾病用医薬品」とは、患者数が極端に少ない疾病の医薬品のことで、「オーファン(orphan)ドラッグ」とも呼ばれています。オーファンとは孤児(みなしご)の意味です。血圧の薬や糖尿病の薬は、かかっている患者さんの数が多いので、新薬ができても十分に採算が取れますが、患者さんの数が少ない病気の薬は、製薬会社としてはあまり作りたがりません。患者さんの数が少なくても必要性が高い薬を、厚生労働省は「希少疾病用医薬品」として指定して、製薬会社に対して優遇措置をとり、製造・販売を保護しようとしています。具体的には、研究資金の助成や優先的な承認審査、市場独占期間の実質的な延長、税制上の優遇措置を受けられるというメリットがあります。以下のサイトが参考になります。
●医薬品医療機器総合機構:希少疾病用医薬品等(オーファンドラッグ)の開発振興
http://www.pmda.go.jp/kenkyuu/o-fan.html
私のサリドマイドに対する意見は一貫しているつもりです。過去にとんでもない薬害を引き起こしたという事実があっても、どうしてもそれがなければならない薬ならば、決まり事(ガイドライン)をきちんと守るという条件付きで、使用してもよいと考えます。いままで日本国内では、個人輸入という非常手段が取られていましたが、国内で作って販売したいという製薬会社が手を挙げてくれました。いろんな意見はおありでしょうが、多発性骨髄腫の患者さんのために、ぜひ再び薬として承認すべきだと思います。
(2005/01/22)

サリドマイドのことはこのサイト中、「薬の歴史・薬害の歴史〜(3)サリドマイド事件」、「サリドマイド再び」、「最近のサリドマイド使用の実態」で書いています。この項、新しい情報を入手次第、順次更新します。
(2005/01/16;2005/01/22更新)
【追加情報】
ついに、サリドマイドの治験が始まるという情報が入ってきています。
2005年7月20日に、藤本製薬が厚生労働省で会見し、同月から治験を実施することを明らかにしています。全国の大学病院など医療施設22カ所で、35症例を目指すとのこと。サリドマイド以外の治療法で効果がなく、サリドマイドの使用経験がない患者が対象で、既に対象患者は内定しており、新たに治験者を公募しないとのことです。治験は来年3月まで行い、来年夏ごろに製造販売の承認申請をする予定だそうです。
やっと治験の実施までこぎ着けたか・・・という印象です。早期に承認されるといいと思います。
(2005/07/21追加)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)