
他では聞けないくすりのはなし
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サリドマイドのことはこのサイト中、「薬の歴史・薬害の歴史〜(3)サリドマイド事件」、「サリドマイド再び」で書いています。過去に大きな薬害をもたらした薬ががん患者さんに投与されているということです。
先日、新聞を読んでいましたらこんな記事が目にとまりました。以下、ネットで得た情報を抜粋します。
2月16日 サリドマイド被害者の福祉団体が東京都内で開いたシンポジウムで、コンフォート病院(横浜市)理事長が報告した。 報告によると、同病院は骨髄腫のほか、肺がんや腸がんなど固形がん患者にサリドマイド治療をしており、昨年2〜12月に、424人の末期がん患者に投与した。
保管状況などをアンケートしたところ、回答があった243患者・家族のうち、患者本人の死亡などで使用が中止され、同剤が残っていたのは78患者・家族。内訳は▽自宅で保管34▽各自で廃棄34▽医療機関に依頼して廃棄7▽その他3――だった。
「その他」の3例は、いずれも患者本人が死亡。家族の聞き取り調査では、70代の妻が残った分を睡眠薬代わりに服用していた。過去に睡眠薬として販売されていたことを知っていたという。他の2家族は知人のがん患者に譲ったと答えたという。同病院理事長は調査結果について「非常に驚いた。病院では不要になったサリドマイドは返却するよう、患者の同意書を取っているが、現状では100%の回収は難しい」と話した。
サリドマイドについては、賛否両論があります。このような報告があると、薬害市民団体は使用を中止すべきだと主張されると思いますし、一方がん患者さんにとっては、望みを絶たないでほしいと思われるでしょう。
制限付きなら投与しても可というのが私の考えです。制限付きというのは、例えば患者さんを限定して、薬の管理をしっかりするなどといったことです。そのために「薬が余ったら返すこと」という同意書をとっていたそうですが、ご本人が亡くなられて気落ちされているところで、薬のことまでもなかなか気が回らないということがあるのかなあという気がしています。もしくは気持ちの整理ができないということもあるのかもしれません。

サリドマイドは国内では未承認薬ですが、医師や個人の責任で使用することに規制はないという状況がちょっとまずいような気がします。未承認薬でも厚生労働省の介入がのぞまれるところです。そう簡単にはいかないんだってという声が聞こえてきそうですが・・・。
(2003/02/22)
<追加情報>
厚生労働省がサリドマイドの使用実態の調査に乗り出しました。その結果がこの9月18日に公表されています。
厚生労働省研究班が調べたところ、同薬を個人輸入したことのある155人の医師を対象に実施され、うち126人が、同薬の使用経験があるとの回答がありました(残りの29人は個人輸入しても使用経験がないということ?それってどういうこと??)。患者が飲み残した錠剤を「全員から回収している」と回答した医師は、44%しかいなくて、保管場所も、「院内の薬剤部」や「治験管理室」と答えた医師は42%で、28%の医師は「自分の机・ロッカー」と回答しています。
これを受け同省は、サリドマイドの管理・使用手続きの厳格化や、患者・家族への情報提供などを徹底するよう、関係者に通知するとしています(もうされているかと思われます)。
同省の調べでは、サリドマイドの個人輸入実績は、2001年度が15万6600錠だったのに対し、2002年度は44万454錠と急増しています。
私の個人的な意見は上にも書きましたが、患者さんの限定、薬の厳格な管理といった制限付きならOKであると考えます。ところがこのようなずさんな管理がされてしまいますと、全面的に使用が制限される事態になってしまいそうなので、サリドマイドの投与を望んでいる方のために、是非とも関係者のしっかりとした管理が望まれるところです。
(2003/09/20)
<さらに追加情報>
サリドマイドの個人輸入が急増している(2004年度は53万錠だそうです!)問題で、厚生労働省は2004年12月10日に、適正な使用を促すガイドラインを公表しています。薬事法の対象外となる未承認医薬品について、国が指針を作って規制するのは初めてだとのことです。
● 厚生労働省:「多発性骨髄腫に対するサリドマイドの適正使用ガイドライン」について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/h1210-2.html
● 厚生労働省:「多発性骨髄腫に対する適正使用ガイドライン」
1〜19ページ(PDF 415KB)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/dl/h1210-2a1.pdf
20〜42ページ(PDF 350KB)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/dl/h1210-2a2.pdf
指針は、厚労省から依頼を受けた日本臨床血液学会が作成しています。サリドマイドを使った多発性骨髄腫の治療は原則として日本血液学会の研修施設で専門医の指導のもとで行うことや、各医療機関は患者を登録して、患者の家族の中に責任者を決めて薬の管理を徹底することなどを求めています。
(2004/12/18)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)