
他では聞けないくすりのはなし
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「MTX−抗リウマチ剤として販売へ」 の項でも書きましたが、適応外使用とは、厚生省が認めた効能・効果以外の効能を期待して薬を使うことです。効果が関係学会などで広く認められていたり、今まで使われていて確かに効果があるということが分かっているものもあります。
適応外使用で医薬品を使うことの問題点は、医療保険が適応されないので費用の全額が患者さんの負担になったり、副作用があった時に救済制度が適用されなかったりすることもあるということです。(副作用があった時に救済制度については、「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」のホームページ中、http://www.kiko.go.jp/ne/Help/Help.htmlからのリンクに詳しく書かれてありますので、参考にしてください)
さてここのところ、いわゆる適応外使用で使われているもののうち、代表的なものが次々と承認追加になっていますので、ご紹介します。
従来、「頻脈性不整脈(心室性)」しか、適用がありませんでした。いわゆる不整脈の薬です。この7月に「糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善」が追加になっています。この適応症は、従来から効果があると言われていました。
解熱鎮痛剤ですが、循環器系の臨床においては、血小板凝集抑制の作用があるので、血栓防止を目的に投与されていました。大人が小児用バファリンを飲むのはおかしいと思われるかもしれませんが、少量で十分に効果があります。
長らく適応外使用の代表的なものであったのですが、このたび狭心症等における血栓・塞栓形成の抑制という新しい効能を取得することが決まりました。アスピリン含有製剤を製造・輸入している企業等が、共同して国内外の文献収集などを進め、新しい効能取得の申請を行いました。審査の過程では、アスピリンの抗血小板療法に関する米国FDAの評価が参考にされたということです。
やっとのことで11月24日付で薬価収載となっています。
消化性潰瘍・十二指腸潰瘍は、その主な原因といわれるのがヘリコバクター・ピロリという菌が胃の中に繁殖してしまっているためだということが分かっています。菌が悪さをしているわけですから、それを取り除けばいいわけです。ランソプラゾール、アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤併用療法が、効果があるという報告があり、多施設においてそれらの薬が投与されていましたが、適応外使用であるために患者さんの自費で行われていたケースもあるときいています。
これら3剤併用療法は国内臨床試験を実施し、これらの薬を製造している8社の共同開発という形で申請され、承認されました。当初は、検査法が保険適用になっていないとの理由でしばらく見送りになっていました(検査法が保険がとおらないのに、治療薬がとおらないという理屈は、まあ納得できるところです)。それが11月から保険適用になっています。同時に検査法も保険適用になります。ようやく・・・といった感じがします。
どんどんと適応外使用されているものが承認されて(もちろん必要十分なデータを検討して、きちんとしたものに限りますが・・・)、患者さんの金銭的負担や副作用の救済制度の面からも、患者志向の医療になることを望みます。
参考
Hp除菌に3剤併用療法が承認へ(薬事日報 8/8)
アスピリン製剤に新しい効能 (薬事日報 8/11)
H・ピロリ除菌療法来月から保険適用、3剤併用薬剤と診断薬など(薬事日報 10/29)
http://www.yakuji.co.jp/yakuji/headlinenews/hln2000102901.html
(2000/08/26;2000/11/26更新)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)