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他では聞けないくすりのはなし

ユーゼル/ユーエフティの口内炎

 個人情報保護法の観点から、あまり書いてしまうといけないのかもしれないのかもしれませんが、あくまで一般論ということで見て下さい。また、この方法がひょっとしたら間違っている可能性があることをご了承下さい。
 たまには病院薬剤師の仕事の一端をご紹介するという目的で書きます。
 直腸・結腸がんの治療にユーゼル/ユーエフティが使われています。
 5-FU/LV(5-FU注/アイソボリン注)と生存期間での比較は同等であったとのことで、注射ではなくて内服剤なので患者さんへの侵襲はなく、比較的楽であると言われています。
 ある患者さんで、ユーゼル/ユーエフティを投与していて、白血球、赤血球、血小板などの減少や、嘔気・嘔吐など副作用が無くて退院されていかれた方がいらっしゃいました。
 退院して数日後にまた緊急入院になられてしまって、どうされたのかなと思っていましたら、口内炎ができて、それも口の中がひどく腫れてしまって食事することができない状態になっているということでした。
 添付文書をみてみると、34%程度の方に口内炎/粘膜炎の副作用があるということです。
ユーゼル ユーエフティ
 やっと口内炎がおさまってきたので、再度ユーゼル/ユーエフティを投与したいと主治医の方から連絡がありました。やはり再度口内炎が起きると嫌だということでなにか予防投与できることはないかという相談を受けました。
 従来、5-FU注射の口内炎予防には、アロプリノール含嗽液が使われていましたが、これを使うと、5-FUの抗がん作用が減弱してしまう可能性があるということが言われています。
 その他に、メシル酸カモスタット(フオイパン)含嗽液を使用するといいとも言われていますが、薬価が高いのと味がすごく苦いというデメリットがあって、ちょっと抵抗があります。
 口内炎の予防でもっとも簡単なものは、口の中に氷をほおばってもらうという方法があります。クライオセラピーといって、主に5-FUのワンショット静注の際にされます。注射している間だけ氷をほおばってもらい、口腔内を冷却することにより、口腔内血管を収縮させ、抗癌剤が、口腔内粘膜に到達しにくくする方法です。しかしこの方法は、24時間持続の点滴や、内服にはあまり適した方法ではありません。
 いろいろ考え主治医と話し合いましたが、アロプリノール含嗽液でいってみましょうという結論になりました。うがいだから、体内に吸収されるわけではないという推測からです。
 今後、その患者さんの口内炎がうまく予防できるのか、わくわくどきどきしています。
 また何か新しい展開がありましたら、ご報告します。

(2005/07/09)

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制作・著作:佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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