
他では聞けないくすりのはなし
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書評「そのクスリを飲む前に」(1)からのつづきです・・・
前にも書きましたが、著者は小児科の開業医です。過去にご自分のクリニックで事務員に薬を調剤させて、調剤過誤があったそうです。その苦い経験より、薬の専門家である薬剤師に調剤してもらおうということで院外処方に踏み切ったとのことです。医薬分業とは、待ち時間の短縮、薬の詳しい説明だけではなく、薬を患者さんに安全に飲んでもらうためのシステムです。この本には、そのメリットが実に多くの実例とともに紹介されています。また問題点についても隠さずに書かれています。
薬剤師の団体を擁護しているわけではないと断りながらも、我々薬剤師に最大のエールを送ってくれていると個人的には感じました。
「患者さんにとって望ましい、医者と薬剤師の連携の”かたち”」として、「おかしいものはおかしいと言える関係」でなければならず、院外処方を出し、第三者である調剤薬局の薬剤師に自分が書いた処方箋を見せることは「薬剤師のダブルチェックで危険を回避する」ことにつながると書かれています。これだけ薬剤師が医師に期待をされているということは、ほこりであるとともに責任を感じます。
さらに話は展開して無駄な医療は止めようと書かれています。薬を飲まなくても治る病気にわざわざ薬を出す必要があるのだろうかという疑問を投げかけておられます。著者は、小児への解熱鎮痛剤の投与の可否について疑問をもたれており、投与しない方が身体の抵抗力が高まり、治りがはやいという感触をもたれて、それを実践されているそうです。薬を使わずに治る病気なら、なるべく薬を使わないでおこうという姿勢に共感します。
私も、病院薬剤師として患者さんに薬の説明をする機会がありますが、先日こんな患者さんがおられました。
「ここはちょっと気持ち悪いと看護婦さんに言えば、吐き気止めの薬が出る。そんなにたくさん薬は飲みたくないのに。」とおっしゃっていました。慢性疾患があり、性格的にちょっとナーバスなおばあさんでしたが、まさにこれは吉田先生の書かれていることです。薬を使わずにすんでしまうものは、無理に使うことはありません。そのようなことにもこの本は言及しています。
そして、私のホームページ(http://d-inf.org/)が医薬分業関連ホームページのところに掲載されているのにびっくりしてしまいました。うれしいやら、恥ずかしいやら・・・。それほど医薬分業についてホームページに書いていなかったものですから、恐縮してしまいます。
著者や出版社に何をもらっているわけではないのですが、公平な目で見て医薬分業や現在の医療のことを考える上で、この本はお薦めです。医療関係者だけではなく、患者さんにも読んで欲しい本です。
「そのクスリを飲む前に」 吉田 均著
ISBN4-8083-0694-8
東京新聞出版局 定価:本体1300円+税
(2000/04/16)
「医薬分業のすすめ」ホームページからもこの項にリンクされました。URLは、http://www2.nsknet.or.jp/~s-yoshi/hankyou1.htm です。これまた恐縮です(^_^;)。
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)