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他では聞けないくすりのはなし

パナルジンで重篤な副作用

 概要

  一部、マスコミで取り上げられましたが、抗血小板剤「パナルジン」(一般名:塩酸チクロピジン;その他の商品名は下を見て下さい)を服用されている患者さんで、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の副作用が出ることがあります。
●抗血小板剤とは、血管内の血小板が集まるのをおさえる薬で、血管手術や虚血性脳血管障害での血栓(血が固まって、血管を塞いでしまうこと)の治療などに用いられます。血管がつまって怖いのは、脳血管と心臓の血管です。
 平成7年に初めて報告があって以来、現在までに22人(うち死亡例は6例)の患者さんにその副作用がでてしまいました。今までの使用実績から計算すると、その副作用が出るのは4万人に1人の割合です。平成10年10月以降にTTPの症例が新たに11例(うち死亡2例)の報告があり、増加傾向にあります。

 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)とは?

 TTPは、まれな疾患ですが、一度なってしまうと重篤なケースになる場合が多く、適切な処置をとらない場合には致死率が50%以上であると報告されています。臨床上の特徴として、1)血小板減少、2)破砕赤血球を認める溶血性貧血、3)動揺する精神・神経症状の3主徴に、4)発熱、5)腎機能障害をあわせて5主徴が挙げられます。どうしてその病気になるのかは、現時点では不明です。

 その薬を飲んでいる患者さんは?

 TTPや無顆粒球症、重篤な肝障害などの重い副作用は、飲みはじめから2ヶ月以内に起きています(特に、1日に飲む量の多い少ないに関係ないようです)。TTPのかかり始めの症状としては、倦怠感、紫斑等の出血症状、食欲不振や意識障害がでます。パナルジンなどの塩酸チクロピジン製剤を飲まれてそのような症状が出た場合には、すぐにおかかりの病院や診療所に連絡して下さい。飲むのを止めて、適切な処置をとらなければなりません。
 なお、自分で勝手に飲むのを止めたり飲む量を調節するのは、危険な場合もありますので、やめて下さいね。

 塩酸チクロピジン製剤は、以下のとおりです。
アンブレート錠(堀田)、イパラジン錠(マルコ)、ジルペンダー錠(日新製薬)、ソーパー100mg錠(日本薬品)、ソロゾリン錠(小林化工)、チクピロン細粒(沢井)、チクピロン錠(メディサ新薬)、ニチステート錠・細粒10(日本医薬品工業)、ネオピジン錠(オリエンタル)、パチュナ錠(東和薬品)、パナピジン錠(日本ヘキサル)、パラクロジン錠(三和化学)、ピエテネール錠(陽進堂)、ピクロジン錠(太田製薬)、ピクロナジン錠(大洋薬品)、ヒシミドン錠(菱山)、ビーチロン錠(辰巳化学)、ファルロジン錠(東洋ファルマー)、プロパコール錠(日清キョーリン)、マイトジン錠(鶴原)、ロベタール錠(大興製薬)
 (参考)

(1999/07/02;1999/08/01更新)

 (追加情報)
 上に書いた1999年7月から今年6月までの2年間に、394人の重い副作用(うち死亡34人)が報告されていることがわかりました。マスコミ報道がされています。
 この薬は、2年前に医療関係者向けに緊急安全性情報が出た際、服用開始2ヶ月は2週間に1回の血液検査をすることになっていました。しかし、このうち昨年6月までの206人の副作用例についてパナルジンを販売している第一製薬が調べたところ、警告通り2週間に1回の血液検査が行われていたのはわずか24%。「1か月ごと」が16%、「定期検査なし」25%、「不明」35%と、全体の7割強で指示が守られていなかったことがわかっています。
 第一製薬のコメントは、ここで見ることができます。
http://www.daiichipharm.co.jp/company/news085.html
 パナルジンを含む塩酸チクロピジン製剤は血液を固める血小板の働きを抑える作用があり、血管手術や脳こうそくに伴う血栓の治療などに使われています。年間100万人が服用していて、そのほとんどが第一製薬のパナルジンを飲まれているということです。その恩恵を受けている患者さんは多いわけですが、2年間で34人の死亡例が出ていることは非常に問題です。今後、適正な血液検査が徹底されない場合、販売中止を考えなくてはいけないでしょう。
 今回の報道でパナルジンが非常に怖い薬であるという認識が植え付けられたかもしれません。上にも書きましたが、自分で勝手に飲むのを止めたり飲む量を調節するのは、危険な場合もありますのでやめて下さい。飲むのを止めてしまうと、血栓ができて血管がつまってしまうこともありますので危険です。おかかりになっている主治医とご相談されることをおすすめします。

(2001/07/20追加)

(さらに追加情報)
 また塩酸チクロピジンの副作用に関する報道が大々的にされています。上のように注意を喚起したにもかかわらず、重篤な副作用の報告が減少しておらず、平成13年7月から14年6月までに血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)13例(うち死亡5例)、顆粒球減少(無顆粒球症を含む)35例(うち死亡6例)、重篤な肝障害97例(うち死亡6例)の報告がされています。
 そのことより異例の同じ情報での「緊急医薬品情報」を製薬会社に出すよう厚生労働省が指示を出しています。
 死亡された17名のうち、飲み始めの2ヶ月は2週間に1回血液検査がされていたのは7名だけだったそうです。それを必ずするために、薬も飲み始めの2ヶ月は「1回2週間分を処方すること」となっています。
 一年前にも同じことを書きましたが、今回の報道でパナルジンが非常に怖い薬であるという認識が植え付けられたことでしょう。しかし、自分で勝手に飲むのを止めたり飲む量を調節するのは、危険な場合もありますのでやめて下さい。飲むのを止めてしまうと、血栓ができて血管がつまってしまうこともありますので危険です。おかかりになっている主治医とご相談されることをおすすめします。

(2002/07/24追加)

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制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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