
他では聞けないくすりのはなし
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一部新聞などのマスコミに報道されましたが、痴呆症の治療剤として使われている薬が効かないんじゃないかということで、厚生省で再評価されようとしています。プラセボ(偽薬;成分が入っていないもの)と中味がちゃんと入っている薬で比較したところ、両者に差がなかったとのことです。ひょっとしたら、薬価が取り消される可能性もあります。対象になっているのは、武田薬品工業のアバン、山之内製薬のエレン、藤沢薬品工業のアルナート、エーザイのセレポート、ヘキスト・マリオン・ルセルのヘキストールです。
もしこれが本当だとすると、効かない薬を投与しているということで、医療費のムダ使いということになってしまいます。中でも一番高いのがアバンで、通常一日3錠で270円程度の薬価になります。これらの薬のこれまでの売上総額は、約8000億円にもなるそうです。
「あまり効かない薬が処方される理由」でも書きましたが、医者にとって効果がなくても、副作用がない薬が使いやすい薬です。理由は、治療法がない疾患に罹っている患者さんに対しても、一応、そのような薬を投与することによって、治療しているというポーズが取れるからです。今回の脳代謝改善剤はそれに当たるかどうかは今のところ定かでありません。しかし、確かに効果がわかりにくい薬であることは間違いありません。
いずれにしても、今後の審議を待ちたいと思います。(続報が出たら、また書きます。)
(1998/04/22)
(続報)
どうやら、結論が出たようですね。中央薬事審議会の調査会及び特別部会で、「医療上の有用性が確認できず、承認の取り消しなどの措置が必要」との結論が出されました。これを受け、上記医薬品は承認が取り消されることになります。つまり、今まで、副作用がないことをいいことに、効かなくて高い薬を扱ってきたことになります。なお、田辺製薬のサアミオンについては、効果が認められた臨床試験のデータが疑問であるとのことで、継続審議になっています。
「今、その薬を持っているんだけれど、どうしたらいいの?」という患者さんがおられることと思いますが、詳細については、おかかりになっている医療機関にお問い合わせ下さい。
(1998/05/16)
(さらに続報)
サアミオンについても、審議結果がでました。効能が一部削除されたものの承認の取り消しにはなりません。
従来の効能は、「脳梗塞後遺症、脳出血後遺症に伴う慢性脳循環障害による意欲低下、情緒障害の改善」でしたが、下線部が削除になり、「脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害による意欲低下の改善」のみと改訂されます。
また、そのゾロ品23品目については、有用性が認められないとして、製造・販売の中止が決まりました。(同じ成分とはいいながら、審議用に提出された資料がいまひとつのようだったみたいですね。)
これにて、この件は一応、一件落着となります。
(1998/06/19)
(2年ぶりの更新・・・)
上に書きましたように、サアミオン(ニセルゴリン)の後発品(ゾロ品)が2年前に審議されて、提出された資料の不備などにより製造・販売の中止になりました。しかし、今月7日に再申請が通って復活しました。薬価は削除前の2割〜3割アップしているということです。薬価アップの理由は不明です。
(2000/07/20更新)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)