
他では聞けないくすりのはなし
![]()
![]()
結論から言いますと、男性が使用した薬剤に関しては、そんなに心配する必要がありません。 それは、薬剤の影響を受けた精子は受精能力を失うか、受精してもその卵は着床しなかったり、妊娠早期に流産として消えてしまうからです。このことは、前回の「はじめに(2)」でヒトがこの世に生を受けるまでに何段階もの「淘汰」の段階があると書きました。まさにそのことです。
精液には、一般的に20%程度、顕微鏡で見て一見して奇形のある精子が含まれているそうです。もともと、受精は何億個かの精子のうち1個が選ばれるものですから、例えばある薬剤で奇形精子が50%になったところで、あまり影響しないと考えられます。すごい競争率で、精子は卵子にたどり着きますので、少々変な精子が混ざっていても、それは競争に負けてしまうし、もしも、たどり着いてしまったとしても人間の体というものはうまくできたもので、ちゃんとした形にならなかった胎児は、流産してしまうということです。
また、薬剤の影響があるとすれば、精子形成期間はおよそ74日(±4〜5日)とされていますで、受精前約3ヶ月以内に投与された薬剤です。射精の直前にはすでに精子となって蓄えられているので、受精の1〜2日前に服用した薬剤の影響は考える必要がありません。
男性側の投与で胎児に異常が生じる可能性が指摘されたことがあるのは、エトレチナート(商品名:チガソン)などの角化症治療薬、コルヒチン(痛風治療薬)ぐらいとごく一部です。この二種の薬も影響ないという意見が多くなっています。女性側と異なり、抗癌剤でさえ、胎児に及ぼす影響はほとんどないと考えられています。やはり胎児に影響を与えるのは、妊婦が飲んだ薬ということになります。 なお、抗ウイルス剤リバビリン(レベトール)という薬をのむと、精液中に薬が移行するかもわかりません。また、催奇形性と精巣・精子の形態変化などが報告されています。パートナーの女性が妊娠しているか妊娠する可能性がある場合は、子宮内に精液が移行しないようにしなければいけません。飲んでいる間と飲み終わってから6ヶ月間はコンドームを使用してください。
(1999/10/23;2006/02/18更新)
![]()
制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)