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他では聞けないくすりのはなし

MTX−抗リウマチ剤として販売へ

 MTX−抗リウマチ剤として販売へ

 メトトレキサート(MTX)はもともと抗腫瘍剤として癌や白血病の治療に用いられていましたが、1980年にアメリカのウイルケンス博士によって「MTX低量経口パルス療法」が開発され、慢性関節リウマチに対する有効性が明らかになり、アメリカでは1988年にFDA(食品医薬品局)によって正式に抗リウマチ薬として認可されています。
 しかし、日本国内では、長年、正式に抗リウマチ薬として認可されていませんでした。いわゆる「適応外使用」として、慢性関節リウマチ患者さんにMTXが使われてきました。
 そのような状況の中、今年8月にやっとのことで慢性関節リウマチに対して適応のあるMTX製剤が厚生省に認可されることになりそうです。

 適応外使用とは?

 適応外使用とは、厚生省が認めた効能・効果以外で薬を使うことです。MTXの経口剤は従来、白血病の患者にしか投与が認められていませんでした。しかし、一般的に慢性関節リウマチ患者さんに投与されており、その有用性が実証されており、正式な認可が望まれていました。

 抗リウマチ剤としてのMTXの位置づけ

 非ステロイド性抗炎症剤は、一時的に痛みや炎症を抑えるだけで、慢性関節リウマチの自然経過に影響を及ぼすことはないとされています。しかし、抗リウマチ剤とよばれる一群の薬は、長く使用しているうちにじわじわ効いてきて、慢性関節リウマチの炎症を長期にわたって抑え込むようにはたらきます。
 現在アメリカではほとんどのリウマチ専門医がこのくすりを慢性関節リウマチ治療の第一選択薬(一番はじめに使う薬)としています。抗リウマチ剤として使用する場合(MTX低量経口パルス療法)は、抗腫瘍療法よりずっと少量のMTXを週一日だけ服用します。効果は他の抗リウマチ剤と比べ速く、数週間であらわれます。切れ味が鋭い抗リウマチ薬ということができます。

 MTXの副作用

 そのように作用が強い薬ですが、作用が強いだけに副作用もあります。MTXの副作用は、胃腸障害、造血器障害、脱毛、頭痛などありますが、もっとも注意を要するのは肝障害と肺炎です。
 肝障害は、長期連用で肝臓の繊維化(肝硬変)をまねく例があることが知られており、MTX療法中は定期的な肝機能検査が欠かせません。
 また、MTX肺炎は急性に発症する肺の過敏性炎症で、風邪や気管支炎とまちがわれやすく、対応が遅れると重症になるので注意が必要です。

 薬を説明するとき(私の経験)

 特に慢性関節リウマチの患者さんは、長い間薬を飲むことになるために薬に関してよく勉強されており、MTXをはじめて服用される方は心配される方がいます。それは、この薬がもともと白血病の薬であるというのが原因のようです。
 そのような方には、「アメリカでは慢性関節リウマチで一番はじめに使われる薬で、当院でも多くのリウマチ患者さんが飲まれています。副作用もありますが、定期的に検査をしますし、注意すれば大丈夫」と説明すると納得されるようです。
 ※この項は、橋本 明著:「慢性関節リウマチ」(保健同人社、1997)を参考にしました。

(1999/06/13)

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saty@d-inf.org

制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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