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他では聞けないくすりのはなし

薬の有効期限

 ある方から、こんなメールを頂きました。50歳代の女性からのものです。

郵便屋さん

 薬の有効期限を守らなければひどいめに会うことがあります。と申しますのは、眼底出血と白内障の夫が、以前、眼科で処方された目薬があったのですが、付け忘れが多く残っていて有効期限は過ぎてしまっていたものを、大丈夫と甘く考え、さしたところ、すっかり充血してしまいました。
 バカめ、としか言うようがありませんよね。戦中から戦後世代の、夫はもったいない感覚が薬にまで働いたのです。あえて恥じを晒してしまいましたが、こんな患者たくさんいます。それだけに薬剤師さんのお仕事、膨大になり大変なことと、お察し申し上げます。

 このメールを拝見して、考えたことがあります。
 外来で調剤した薬を渡していますと、患者さんから、前にもらった薬があるけどまだ使えますか?という質問をよく受けることがあります。
 一般的に薬の有効期限は、製薬会社で作られてから2〜3年です。もちろん、薬そのものによってそれぞれ違いますし、あまり使われていない薬は、問屋さんから有効期限の短いものが納品される可能性もあります。薬局の中で、随分と時間の経ている薬もあるでしょう。
 保管方法によっても変わってきます。例えば、冷蔵庫に保管しておかなければならないものを、部屋の中に置いておいたら、短くなってしまいます。光に不安定な薬を直射日光に当たるところで保管したら、すぐに駄目になってしまいます。
 ですから、一概にどれだけ持つのかというのは答えられないんです。
 そもそも、病院や診療所で処方される薬というものは、受診されたときの症状に合わせて出されるものですから、自分では同じ症状だと思っても、医師が診察した結果、違う薬になる可能性もあるわけです。
 わかりやすく言うと、「どんな症状にも合うようなものが市販されている薬で、病院で出される薬は、その人の症状に合わせた、いわばオーダーメイドの薬だ」ということです。
 例えばスーツを仕立てるときのことを考えて下さい。数ヶ月前、数年前に同じ店で仕立てて、その時の記録が残っており、またスーツが必要になったときに、前と同じサイズで仕立てて下さいとお願いできるでしょうか?特に、中年になれば、お腹がでてきて、以前とサイズが変わってきていて、巻き尺で身体の各部を計り直さなければなりませんよね。それと病院で出される薬は同じようなものだと思って下さい。
 病院で処方された薬をとっておいて、同じ症状の時に飲むというのはあまりいいことではありません。出されたときに飲むようにして下さい。
 季節の果物のように、
病院の薬にもその人の症状に合わせた「旬」があるのです。
 とはいえ、何かの都合で、薬が余ってくるときがあると思います。そういうときは、診察の時に、「この薬余ってます」と主治医に一言声をかけて下さい。よく薬局で薬を渡されるときに、「この薬はいらない」とか「この薬より、こっちの薬の方がいい」と言われる方がおられます。薬局で勝手に処方変更ができませんので、医師に確認することになりますし、お金の計算し直したりお待たせする時間も長くなってしまいますので、処方箋を受け取るときに確認していただけると、スムーズです。
 このことは、院外処方箋を受け取ったときでも同様です。

(1999/09/11)

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制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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