ホーム > 他では聞けないくすりのはなし > 薬剤師って何? >

logo.gif

他では聞けないくすりのはなし

薬剤師の情報提供の義務

 みなさんは、病院で薬をもらうときに、薬の説明をお聞きになりますか?薬の袋に書いてあったり、別の用紙に書いてある場合もあると思います。また、1日○回○日分で1回○錠と書いてあるだけの病院や診療所もあるかと思います。

koewodai
 今年4月に薬剤師法が改正され、その中で第25条の2で薬剤師の情報提供の義務が規定されました。その条文は「薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たっている者に対し、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない。」となっています。即ち、外来患者さんに薬を調剤して渡すとき、その薬に関わる情報(薬名、効能、副作用など)を患者さんに説明しないと、法律違反になります。外来患者さんだけではなく、入院患者さんに調剤したときも同様です。今までは薬を渡すときに「お大事に」だけで済ませていたところもそうはいきません。
 薬に情報を付けることは、至極当たり前のことです。情報が付加しない薬は医薬品ではありません。それは、化学物質です。どれだけの量をどのように使ったらいいか、副作用には何があるか、その副作用が出たときはどうすればいいか、服用する際の注意事項など分からない物質は危なくて使えません。それらの情報が付加して初めて医薬品となります。
 有名な睡眠剤にハルシオンというものがあります。これは、適正に服用すれば、すぐに効いてそして作用時間も短いので朝まで残らないという点で優れた薬なのですが、闇の世界では違う使われ方がされています。詳しくは書きませんが、例えば、アルコールと一緒に飲むと、薬が効きすぎて、途中覚醒しても記憶がないということがあります(こうして服用することは非常に危険なのでもし、この薬を服用されている方は絶対にしないでください)。患者に薬を適正に使用してもらうためには、付加しなければならない情報がいっぱいあります。
 今までの薬剤師は、薬を作って、患者に薬を渡すだけの存在であり、一般の方の目にもきっとそう見えていたことでしょう。ですから、この薬剤師法の改正は、我々の職能を社会的に広めるという意味で喜ばしいことです。
 しかし、薬剤師が情報提供の義務ができたとはいえ、薬剤師の独断で勝手に説明するのは無謀なことです。特に医師との連携は大切です。極端な話、告知されていないガン患者に抗癌剤が処方されていて、薬剤師がそのことを知らずに、患者に「この薬は抗癌剤です。」と説明した場合、その薬剤師は責任を問われることになるでしょう。そんなに大げさなことにならなくても医療スタッフの中での信頼はなくなってしまうでしょう。

koewodai
 この法律改正に対しての病院や薬剤師の対応は種々の問題があるにはあります。どのような情報をどうやって提供するかということが我々薬剤師の悩みの種です。また、説明することで、薬をもらう待ち時間が今でも長いのに、更に増えてしまうということも考えられます。
 薬のことで分からないことはどんどんと薬剤師に聞いて下さい。何も説明してくれない薬剤師には「薬のことを教えて下さい」と言ってください。その説明のために多少お待たせするかも知れませんが、忙しそうにしていても構わずに聞いて下さい。薬のことを説明するのが我々の仕事です。

 自分の中では、非常にきれいにまとめてしまった感じがあります。薬剤師の情報提供に関して、いろんな方が、いろいろご意見があると思います。同業者の方、一般の方、広くご意見をお待ちしています。ご意見はこちらまでお願いします。

(1997/10/21)

 カテゴリに戻る

 

saty@d-inf.org

制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

(http://d-inf.org/drug/)