
他では聞けないくすりのはなし
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いや〜、びっくりしましたねえ。もう随分と経ってしまいましたが、宮城県内の医療機関で、毒薬に指定されている筋弛緩剤を故意に輸液に混入したらしいという事件が起きました。詳細はよく分かりませんが、医の倫理などぶっとぶような事件であるのは確実です。事件以来、患者さんに「この点滴大丈夫?」と冗談まじりに聞かれることがあるという話を看護婦さんから聞いたことがあります。
筋弛緩剤の注射剤は毒薬に指定されており、手術の人工呼吸器を使う際、首の筋肉をゆるめ、気道を確保するために使われるのが普通です。また一般病棟でも、呼吸困難時の気管内へ管を挿入する際にも使われます。呼吸が抑制されますので、人工呼吸器などの調節呼吸をしなければならなく、当然医師の管理の元に慎重に使われるべき薬です。
この事件で考えさせられたのは、薬剤師がリストラの対象となって不在で、薬の管理がいい加減になっていたことが事件の温床になったんじゃないかということです。医療法18条という法律で、常時3人以上の医師が勤務する診療所では薬剤師を置かなければならないのですが、薬剤師がいなかったということは法律違反です。毒薬は鍵のかかるところに保管することが義務づけられています(薬事法48条という法律で定められています)。ひょっとして薬剤師がいて適切な管理がされていれば、防げた事件であったかもしれません。
当然、このような大きな事件が起きればそれに行政は対応して、全国の病院の毒薬の管理体制をしっかりせいという通達が来ることは予想されていましたが、案の定やってきました。
毒薬等の適正な保管管理等の徹底について
http://www.jshp.or.jp/naiyo/2waht/cont/pdwelfare2.html
毒薬の管理について
http://www.jshp.or.jp/naiyo/2waht/cont/pdkanri2.html
とかく病院の経営を考えると、薬剤師は金が稼げないということでリストラの対象になるような傾向があると聞いたことがあります。実際に事件のあったクリニックでは薬剤師がリストラされている訳ですが、稼げるか稼げないかだけではなく医薬品の管理という重要な職務があるのです。ま、それが病院の薬局の中で行われるので、とかく薬剤師は何やっているかわからず「顔が見えない」というきついお言葉を一般の方からもらうことになる訳です。医薬品を管理するという仕事も立派な薬剤師の仕事だと考えています。
(2001/02/09)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)