ホーム > 他では聞けないくすりのはなし > その他 >

logo.gif

他では聞けないくすりのはなし

患者さんから「元気」をもらう

 たまたま本屋さんで見つけた本「心臓外科医 須磨久善」がなかなか面白かったです。この本、NHKの「課外授業 ようこそ先輩」という番組の内容をまとめたものです。ご存じかと思いますが、番組内容としては各界の著名人が自分の母校にでかけて、授業を行うというものです。
 私はしりませんでしたが、この先生は非常に有名な方で、「神の手を持つ」と称されているほどだそうです。またその技術をみんなに広めるために各国で公開手術をされているそうです。また、ご自分で病院を開院されており、そこでも自分の技術を公開されているそうです。この番組では、小学生相手に手術をみせるということで、血を見て気持ち悪くなるような子供もおり、かなりの衝撃だったようだけど、それでも人の命の大切さを感じていたような印象を受けました。
 この番組だけのために、小学生に心臓手術の現場を見せたのではなく、申し込めば見られるというのも感動です。
 葉山ハートセンターホームページhttp://www.hayamaheart.gr.jp/
 須磨久善先生ホームページhttp://www.netlaputa.ne.jp/~HisaSuma/
 技術もさることながら、お考えになっていることも素晴らしいと感じました。偉い人の話っていうのは、本当に面白いものです。そのなかで特に印象的な言葉があります。
病院は「元気」のキャッチボールをしているところ
(引用ここから)
−命がつながっているということを、いちばん実感されるのはどういうときですか?
ほんとに助かりたいと思って、消えかかっている命を持って病院にこられた方たちが、こちらも一生懸命治療をして元気になってもらって、喜んで帰って行かれるときです。そのときの「ありがとう」という言葉が、ぼくらをすごく元気にしてくれるんです。その元気をもらったら、また次の人たちに向かっていける。いろんな手術に挑戦していくエネルギーをいただきます。病院はそういう「元気」のキャッチボールをしている場所ですね。
−それは先生が元気をもらうということですか?
そうです。それから、特に心臓外科というのは時間もかかるし、集中力も相当なものだから、やっぱりかなり疲れる仕事です。だから、ふつうだったら、それを毎日毎日続けているのは、体力的にも気力的にもそんなに続くものじゃないはずなのに、それが毎日、朝になったら、「さあ、またがんばろう」ってやっていける。それは、その日治療した患者さんが元気になって嬉しいと言ってくれることによって、こっちのエネルギーを補充してくれるんだと思います。だから、いつまででも続けていけるんだと思います。
−患者さんの喜びが、お医者さんの命も強くするってことですか?
そうです。医療というのは一方通行じゃなくて、してあげたことを患者さんは喜びで返してくれるんです。それを感じ取って、また自分の気持ちが元気になって、次の手術に入っていく。その繰り返しだから、それがないと、こういう仕事はつづけていけないんじゃないですかね。
(引用ここまで)
心臓
 そもそもなんでこの本が目にとまったかというと、心臓血管外科医に非常に興味があったからです。病院薬剤師という仕事をしていると、血液が大量にオーダーされることがあります。それは、心臓血管外科の手術で、予定された手術だけではなく、緊急の手術をしなければならないことがしばしばで、ともすると24時間以上も手術を続ける場合もあり、どうやって体力や気力を保っていくのだろうということに興味がありましたが、ここら辺にヒントがありそうですね。
 大量の輸血のオーダーやら払い出しをしていますと、実際には見たことがない患者さんでもがんばってほしいと思うもので、手術が終わってその後の経過が気になるものです。
 患者さんの「ありがとう」の言葉を聞くために医者をしているんだという方がおられるという話も聞いたことがあります。まがりなりにも私も医療従事者ですので、そのことはとてもよく分かります。患者さんから「ありがとう」と言われると本当にうれしいものです。「仕事がんばろう」という気になります。また反対に病院薬剤師として「ありがとう」と言ってもらえるような仕事をしなければならないとも思います。いろいろ仕事上で嫌なことがあっても、患者さんから「ありがとう」の元気をもらうことで立ち直ることもあるでしょう。
 また、このサイトの運営も基本的にはそこにあるのだと思います。サイトを運営されている方はわかっていただけると思いますが、新たなページを書くことは結構大変なことです。そこで「書いてあることが参考になってよかった」などといったメールで元気をもらうことで、がんばって更新しようと思えるんでしょうね。
 その本の名前は「心臓外科医 須磨久善」(KTC中央出版)です。
 NHKでの放送は2001年6月にあったそうですが、見ていませんでした。ぜひとも映像をみたいと思って、web上を検索したところ、ビデオを録ってあって貸してくださる方が見つかりまして、さっそく連絡してみたところ、快くお貸し願えました(実際に手術された方のサイトです)。こういうときにインターネットって便利だなと思います。
 バチスタ手術体験記http://home.b00.itscom.net/snakajii/batista/index.html(2004/01/25URL変更)

(2002/07/10)

 カテゴリに戻る

 

saty@d-inf.org

制作・著作:佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

(http://d-inf.org/drug/)