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他では聞けないくすりのはなし

「ガスター10」で死亡例報告もれ

 やっぱりおそれていたことが起きてしまいました。
 山之内製薬の市販薬「ガスター10」(一般名:ファモチジン)で死亡例2例を含む計15例があり、しかも厚生労働省に報告されていなかったことがわかりました。
 死亡例2例のうち、1例は心臓疾患による死亡後、家族がガスター10の副作用報道を見て問い合わせてきたケース、他の1例は肝臓疾患による死亡例で、担当医師がガスター10の大量服用を疑ったため、家族が問い合わせをしてきたケースだったそうです。
 ガスター10の販売開始(97年)から今年1月末までに、同社の「お客様相談窓口」によせられた副作用報告が303件あり、そのうち15例が未報告であったとのことです。(薬事法という法律で、製薬会社は副作用報告が義務づけられています)
 同社は報告が遅れた事に対して、「判断基準を変更したため」としています。つまり従来は、相談内容のうち、「医療機関を受診し、受診記録が得られた場合に副作用報告の要・不要を判断する」方式だったものを、「相談窓口に寄せられた副作用に関する情報をすべて評価対象とし、薬との因果関係が否定できない場合はすべて副作用として取り扱う」ように基準を変更し、今までの報告を見直したところ、報告すべきものがでてきたというのです。基準切り替えをした理由については「薬事法改正で安全性情報の取り扱いがより厳格になるため」だったとしています。
ガスター10
 私は、「H2ブロッカー〜新しい胃薬〜」「ガスターってやっぱり危ない薬?」に書きましたが、ずっとガスターを町の薬局で買える市販薬にしていいのだろうかと思っていました。「ガスターってやっぱり危ない薬?」を書いたころ(2001年10月)は、注射剤でのみ死亡例が報告されていました。飲み薬は注射剤と比べると体内に入る割合が少ないので、副作用は少ない傾向にあると考えられますが、成分が同じですから飲み薬でも起こる可能性は十分考えられます。
 また、製薬会社独自の副作用報告の基準も疑問があります。将来的な見方をすれば、副作用情報は広く集めて活用すべきです。相談窓口ではたぶんほとんど電話の対応かとおもいます。薬を飲んだ方やその家族の方だけからの訴えでは、情報量が少ないので判断がつきにくいので、医者にかかって因果関係がはっきりしたものだけ報告していたわけです。
 この問題、今現在計画が進行中である、薬を薬剤師がいないコンビニで買えるようにしようという動きに、微妙に影響を与えそうな気がします。

(2003/06/29)

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制作・著作:佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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