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他では聞けないくすりのはなし

水なしでのめる薬

 かつて、「薬を水なしで飲むのは危険」にも書きましたが、普通の薬は水といっしょにのんでください。水なしで飲んではいけません。水なしで薬がのめると自慢される方がいますが、とんでもないことです。というのは、薬が喉につまって窒息する危険性もありますし、喉に薬がずっととどまってしまうと、その部分が潰瘍になる場合もあるからです。
 しかし、水を飲まなくてものめる薬があります。「口腔内崩壊錠」といって、のむと口の中で溶ける薬で、錠剤に細かい穴をあけるなどして、口の中の唾液ですぐに溶けるように工夫されており、唾液または水でのみ込みます。この薬のデメリットは、やわらかく湿気りやすいので錠剤の一包化(錠剤をシートから出して例えば朝分をひとつにまとめること)ができないということです。
ガスターD
(これが口腔内崩壊錠の見本例です。見た目は普通の錠剤と変わりありません。)
 これらの薬は、実際の医療現場ではどのように使われるかというと・・・
 ものを飲み込むのが困難である(専門用語で「嚥下困難」といいます)患者さんや、食べることができず経管栄養チューブが入っている患者さんがいらっしゃいます。そのような患者さんは錠剤やカプセルがそのままではのみこめません。粉ならのみこめる、あるいはチューブを通りますので、錠剤をつぶすという調剤方法をとらなければなりません。錠剤をつぶすというのは、実際やってみると結構手間なんですよね。
 しかし、口腔内崩壊錠は水にすぐ溶けますのでつぶす必要はありません。(実は普通の薬でも何もコーティングしていない裸錠であれば、時間をかければとけます)すべての薬が口腔内崩壊錠になるとこの「つぶし」調剤がなくなるわけですが、もともとの薬の味が苦かったり湿気りやすかったりすると、錠剤に特殊なコーティーングをしなければなりませんので口腔内崩壊錠にはできません。口の中で溶けたときに苦いのはいやですからね。以前よりありましたが、テレビCMでよくみられますように、町の薬局で買える市販薬(OTC薬)で口腔内崩壊錠は増えていますし、医師の処方せんが必要である医療用医薬品でも最近種類が増えていますが、全体からみるとまだまだごく一部の薬しかないのが現状です。

(2004/12/05)

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制作・著作:佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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