
他では聞けないくすりのはなし
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近頃、患者さんの服用しやすさから口の中でとける薬、口腔内崩壊錠がでてきています。
唾液や少量の水で速やかに崩壊しますので、小児や高齢者、嚥下能力が低下した患者さんでものみやすくなっているのが特徴です。
ちなみに、「口腔内崩壊錠」を表す"OD"は、"Oral Disintegrant"の略だそうです。
"D"をつけている製薬会社がありますが、"OD"のさらに改良【進化】型(Development)ということだとか。
OTC薬(over the counter;市販薬)でも口腔内崩壊錠は増えていますし、医療用医薬品でも最近種類が増えています。
製剤技術は素晴らしく、通常口腔内崩壊錠は吸湿性や錠剤がかけやすいなどの問題がありますが、なかには錠剤として十分な強度を併せ持つものも開発されています。
口中崩壊錠の存在は我々薬剤師にとっても、ちょっと調剤の手間が省けるというメリットがあります。
嚥下困難である患者さんや、食べることができず経管栄養チューブが入っている患者さんでは、錠剤やカプセルがそのままではのみこめません。粉ならのみこめる、あるいはチューブを通りますので、錠剤をつぶすという調剤方法をとらなければなりません。
我々薬剤師は、日常的に錠剤をつぶす調剤を行っていますが、実際やってみると結構手間なんですよね。
口腔内崩壊錠は水にすぐ溶けますのでつぶす必要はありません。
しかしよく考えてみると、多くの薬の中で1種類だけ口腔内崩壊錠でもあまり意味がないと思いませんか?
特に高齢者は他にも普通の(口の中でとけない)薬をのまれているわけで、やっぱりのむには水が要ることになります。
またすべてが口腔内崩壊錠でものむ量が多ければ、水をのまないと口の中がすごいことになりそうです。
最近の口腔内崩壊錠の流れを見ていると、製薬会社が自分の身を守るという側面も垣間見えてくるような気がしています。
たとえば、最近の例としては・・・
・カプセルだけだった剤型を中止して、口腔内崩壊錠だけにしてしまった製薬会社があります。
・先発品で2社併売であったものが、1社だけ口腔内崩壊錠を作ったところがあります
患者さんのためを思って・・・と言えば聞こえはいいですが、後発医薬品対策とも受け取れます。
つまり、処方せんに△△OD錠が「後発医薬品に変更可」と書かれてあっても後発医薬品に口腔内崩壊錠がない場合は変更することができません。
そんなところも睨んでの口腔内崩壊錠の開発というような気もしています。
(2008/07/05;初出2006/05)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)