
他では聞けないくすりのはなし
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欧米においては各国ごとに自主的なプロモーション活動の中止、承認の一時停止、適応症の制限等のさまざまな措置がとられています。例えば米国での対応としては、今年4月にマーケティング活動を中止し、7月に販売を中止しています(1993年7月〜1999年5月までに、70例の死亡を含む270例以上の重篤な心性不整脈の報告があり、その85%が既知の危険因子を有する患者だったため)。
日本では、これまでこの薬の「使用上の注意」がたびたび改訂されてきています。アゾール系抗真菌剤、マクロライド系抗生物質などとの併用や、重篤な心疾患、腎不全、呼吸不全、低カリウム症、低マグネシウム症、肝不全などの疾患にかかっている患者への投与を禁忌にするなど、使用が制限されていました。
実は日本では欧米と比べて投与量が少ないという事実があります。例えば米国での夜間の胸やけの適応症での用量が1日40〜80mg投与であるのに対し、日本国内では、慢性胃炎、胃切除後症候群に伴う消化器症状に対しては、1日7.5mg、逆流性食道炎に対しては、1日10mg(症状に応じて1日20mgまで増量可)、偽性腸閉塞(特発性)に対しては、1日15mgといったように量が少ないので、国内ではリスクが比較的小さいとされていました。米国で販売中止が決まった時点でも、厚生省医薬安全局の関係者は、「日本と米国では、使い方が全然違う。米国に追随して、販売を中止する必要はないと考えている」とコメントしていました。
最近は、製薬会社が自らの判断で販売を中止にするパターンが目立ちます(ちょっと前は脳循環代謝改善剤アニラセタムの例がありました)。実はその裏で、いろいろな圧力がかかっているのかもしれませんが、表向きは自主的にやめるというものです。厚生省の指示による回収であれば話は簡単で、即刻薬がなくなり薬価も削除され、処方することができなくなります。でも製薬会社の判断での出荷の停止となると、今ある分は使っていいということになります。でも、流通が無くなり在庫限りとなるわけですから、これまでこの薬を使っていた医師は、処方変更を余儀なくされるわけです。現場にいる我々は、かなり混乱しているというのが現状です。今回は出荷一時停止という発表ですが、再度出荷されるのはどういう条件がそろえばいいのか考えると、厳しいものがありそうです。
(2000/10/22)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)