
他では聞けないくすりのはなし
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私はこのサイトで、脳代謝改善剤の削除などの情報を掲載してきました。「脳循環代謝改善剤ふたたび・・・」(http://d-inf.org/drug/noutaisha2.html)の項で1987年10月に新たに「脳血管障害に対する脳循環・脳代謝改善剤の臨床評価方法に関するガイドライン」ができてからのこの手の薬は、1993年4月にアニラセタム(商品名;サープル、ドラガノン;二社併売)しか承認されていないと書きました。いわば、最後の砦のような薬であると思っていました。
しかしながら、7月21日付でこの2製品の薬が製薬会社の自主回収がされるということが決定されたという情報を得ました。薬の中に変な異物が混入したり、大変重い副作用が見つかったためという回収ではありません。発売後もアニラセタムの臨床試験が続けられていましたが、偽薬(薬の成分が入っていないもの)との比較試験で有効性を示すことができず、十分な効果が認められなかったためだという説明です。今回の措置は今後の臨床試験で改めて薬効が確認できるまでの臨時的なものであり、医療機関からの注文があれば従来通り販売する方針であるとのことです。今回の回収は厚生省からの指示ではなく、あくまで混乱を防ぐための自主的なものだそうです。
悪い結果を内緒にしておくという選択もあったかと思われますが、最近の雪印乳業の食中毒発生時の対応のようなこともあり、結果が出てしまった以上、なんらかの対応をとらなければならず、今回の対応は苦渋の選択のような気がします。
●この薬の適応症は、「脳梗塞後遺症に伴う情緒障害(不安・焦燥、抑うつ気分)の改善 」です。ちなみに、この薬の使い方の注意書きとして、「投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること 」とあります。
(2000/07/22)
(追加情報)
アニラセタムは、新たに有効性を確認するため再試験をすると聞いていたのですが、どうやらその道を断念したようです。これで正式にアニラセタムが世の中から消えていくことになります。一度ケチがついたものを再試験で納得の行く結果が得られるかどうか、製薬会社としてよほどうまくデータを集めないと駄目だと思ってみていましたが、やはり無理だと判断したのでしょう。やってみて駄目だったときの製薬会社の金銭的ダメージもさることながら、倫理的イメージもがた落ちになってしまいますので、まあ今回の件の落としどころとしてはこんなところでしょうという感じがします。
そもそも薬が有効がどうかということは、数字のマジックみたいなところがあります。データの集め方や解析の仕方でどのようにもなるような気がします。統計学がよくわかっていないもののひがみかもしれません。
(2000/10/14追加)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)